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FBI長官の解雇>土曜日夜の惨劇>中間選挙(2018年)の結果に大きく作用するだろうと思う。その時、議会の状況次第では弾劾手続きも可能になる。そうなると、ニクソン大統領と同じ状況に追い込まれるかも>

世界史用語解説 授業と学習のヒント appendix list

ニクソン

アメリカ合衆国第37代大統領(1969年就任)。ベトナム戦争を拡大、収束に苦しみ、中国と接近。また財政難に苦しみ金とドルの交換停止に踏み切る。1974年、ウォーターゲート事件で任期満了を待たず辞任した。

 Richard Nixon は第二次世界大戦後のアメリカ合衆国共和党の保守派として活躍した政治家。まず1947年に上院議員となり、マッカーシズムの時流に乗り、反共の闘士として知られ、1953年にアイゼンハウアー大統領の副大統領となった。1959年には副大統領として訪ソし、フルシチョフと台所論争(アメリカの電化された家庭での消費生活を自賛、フルシチョフが反論した)を展開したことは有名。

 1960年の大統領選挙では民主党ケネディに敗れたが、次のジョンソン政権がベトナム戦争を本格化させ、泥沼化するなかでベトナム反戦運動が激化し、1968年のキング牧師の暗殺、民主党のロバート=ケネディ候補の暗殺という混乱の中で行われた大統領選挙で、民主党ハンフリーを破り当選した。

ベトナム戦争を拡大

 キッシンジャー外交問題特別補佐官に任命し、1969年7月、外交方針の原則としてニクソン=ドクトリンを発表、海外への過度な軍事介入の抑制に転じ、対共産圏戦略で同盟諸国の肩代わりの強化を要求した。その一方、パリ和平会談の有利な展開をねらって70年、71年にはベトナムでの主導権を維持するため、カンボジア侵攻、ラオス空爆を行って介入し、ベトナム戦争インドシナ全域に戦線を拡大させた。

ドル=ショック

 しかしベトナム戦争の経済的負担のつけは厳しく、アメリカ経済は深刻な危機に陥った。財政難に陥ったことが要因となってドルが下落し、固定相場制の下で金の流出が続いたため、ニクソンは1971年8月、ドル防衛策として金とドルの交換停止に踏み切った。これはアメリカとの貿易に依存していた日本など多くの国に衝撃を与え、ドル=ショック(ニクソン=ショック)と言われた。これによって世界経済をアメリカのドルが支え、ドルを基軸通貨とするブレトン=ウッズ体制は崩れ、世界経済は変動相場制に移行すると共に、

>>アメリカ一極体制から、西ヨーロッパ(ドイツ)・日本を加えた三極構造へと移行する。<<

   ★?

電撃的中国訪問

 ベトナム戦争の有利な終結を模索するニクソン大統領の下で、キッシンジャー特別補佐官は積極的な外交を展開、1972年は電撃的にニクソン訪中を実現させ国交回復の道筋をつけて世界を驚かせた。ニクソンの狙いは中国と結ぶことで北ベトナムに圧力を加えることであり、中国の毛沢東も、長引くプロレタリア文化大革命と中ソ対立の打開の見通しがない中、アメリカとの接近を歓迎したのだった。

デタントの動き

 70年代、世界的な動きは緊張緩和(デタント)へと向かい、1972年にはニクソン自身がモスクワを訪問してブレジネフと会談し、戦略兵器制限交渉(第1次)(SALT・?)に最終的に合意し、署名した。

ベトナム撤退

 ベトナム戦争ではカンボジア侵攻も効果がなく、南べトナム解放民族戦線の攻勢がますます激しくなり、国内のベトナム反戦運動も続いていた。ニクソンは、パリ和平会談での和平実現に踏みきり、ようやく1973年にベトナム(パリ)和平協定を締結、ベトナムからアメリカ軍を撤退させた。インドシナではベトナムの南北の内戦がさらに続き、カンボジア内戦ラオス内戦、さらに中越戦争と混迷が続くことになる。

ウォーターゲート事件

 1974年の次期大統領選挙運動中に、民主党本部に対するニクソン陣営の侵入事件が発覚(ウォーターゲート事件)、大統領本人の関与も明らかになったため、1974年、任期途中で辞任した。なお、アメリカの大統領で任期途中に辞任したのはニクソンが初めてであった。ニクソン辞任に伴い、憲法の規定により、副大統領のフォードが昇格し、大統領に就任した。

FBI長官解任でトランプ米大統領の姿が辞任した大統領とだぶり始めた

立岩陽一郎 | アメリカン大学フェロー、調査報道NPO「iAsia」編集長

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーーー

http://www.y-history.net/appendix/wh1604-011.html

5/11(木) 11:42

FBI長官の解雇でホワイトハウス前には抗議の人々が(写真:ロイター/アフロ)

FBI長官を解任した米トランプ大統領。解任は木曜日だったが、メディアは40年以上前に起きた「土曜夜の惨劇」の再来と伝えている。それは、後に辞任に追い込まれるニクソン大統領が自身を捜査対象としていた独立検察官の解任劇を指す。多くの人に、トランプ大統領とニクソン氏が重なって見え始めた。

FBI長官の解任というトランプ大統領の決定を、本人のジェームズ・コミー氏は出張先のテレビで知ったという。最初は冗談だと思ったというからその驚きぶりがわかる。長官としての日程をこなす権限を失ったために、急きょ出張を切り上げ長官専用機に乗り込むコミー氏の姿が全米で伝えられた。

(参考記事:FBIをはじめとする情報機関が分析した大統領の報告書とは?)

その異様な解任劇から、「土曜日夜の惨劇」という言葉を米メディアは一斉に使い始めた。これは、1973年10月20日、ニクソン大統領が自身の関わったウォーターゲート・スキャンダルを捜査するアーチ・ボルト独立特別検察官を解任した事案を指す言葉だ。今、多くの人が、その後に辞任に追い込まれたニクソン大統領とトランプ大統領をだぶらせ始めている。

ワシントンポスト紙のベテラン記者は、「ニクソン大統領がそうしたようにトランプ大統領も事件をもみ消そうとしていると思われても仕方ない」と話す。

その事件とは、ロシア政府が大統領選挙にハッキングによって関与し、そこに当時候補者だったトランプ大統領の陣営が関わっていた疑いがもたれているもので、FBIが捜査している。当時、オバマ大統領がウクライナ情勢をめぐってロシア政府に制裁を科しており、この制裁の解除について働きかけを受けていたかどうかも焦点となっており、ニクソン大統領が失脚した「ウォーターゲート事件」と事件の入り口をもじって「ロシアゲート」という言葉を使うメディアも出始めている。

(参考記事:トランプ大統領の背後で暗躍するロシアの真の狙いとは)

大統領側は、今回の措置は民主党のヒラリー候補に対する電子メール事件の捜査に問題が有ったからだとしているが、それを鵜呑みにする関係者はいない。

公共放送NPRの記者は次の様に話す。

クリントンの電子メールの事件へのコミー氏の対応については現在、司法省が調査をしており、解任するならば調査結果を受けて行えば良い話だ。また、電子メールの問題が理由であれば、そもそも大統領就任時に解任するのが筋だ」

FBIの関係者もNBCテレビに出て、「少なくとも、FBIの中では、トランプ大統領の陣営が捜査対象となっているロシア政府による選挙への関与が理由だと受け止められている」と話した。

トランプ大統領の就任式では多くの民主党議員が参加をボイコット。こうしたことも、スキャンダルに揺れる中で選挙に勝ったニクソン大統領の二期目以来だった。ニクソン大統領は独立検察官を解任して間もなく辞任に追い込まれている。

(参考記事:トランプ氏の大統領就任式に民主党議員が大量欠席 途中退陣したニクソン大統領以来の事態)

ワシントンで大統領の問題を追及している調査報道記者は次の様に話した。

「この大統領はどこまで信用できるのか、多くの米国人が不安に思っている。それが今回のFBI長官の解任劇で更に強まったのは間違いない。大統領が直ぐに失脚するということはないだろうが、中間選挙(2018年)の結果に大きく作用するだろうと思う。その時、議会の状況次第では弾劾手続きも可能になる。そうなると、ニクソン大統領と同じ状況に追い込まれるかもしれない」

立岩陽一郎

アメリカン大学フェロー、調査報道NPO「iAsia」編集長

調査報道を専門とする認定NPO「iAsia」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして主に調査報道に従事。政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。以後、化学物質規制が強化される。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。「iAsia」編集長の他、公益法人「政治資金センター」の理事として独自の調査報道に取り組む。

official siteiAsia

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーーー

https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20170511-00070837/