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もうじき、みかんの季節。

うちの家の北側には

一面に広がる

広大な田園と、

その先に 雄大な山々が

どっしりと連なっていた。

夏が来れば

台所の硝子戸を

いっぱいに開げて、

床と冊子すれすれまで

キッチンテーブルのセットの

椅子をひとつ持ってきては

青い山と

田畑を駆け巡る涼やかな風を

身体いっぱいに吸い込みながら

チューペットを啜って

歌を歌ったり

読書をするのが

至福のひとときだった。

いまは、うめたてられて

住宅街とかしてしまった。

家の西側にあった

夏に薫る 芳しく

健やかな長い長いみかん畑も。

散歩をしていると、

ずっと逢いたかった

みかんの木と遭遇した

もう かなりご無沙汰だった

まさか、また

会えるとは思わなかった

いつも逢えるとは

限らない けれど、

きっと直ぐそばにある

優しいなつかしいきもちに

包まれながら

大好きな

トトロのことばを

おもいだせた瞬間だった。